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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

藤城清治さん 影絵の世界

浩子です。
すこし前に、徹子の部屋に藤城清治さんがご出演されていました。
藤城さんは日本を代表する影絵作家です。
1924年東京生まれ、今年86歳になられました。

光と影が織りなす抒情あふれる世界、そして人物や動物の大きな黒目が印象的です。
テレビ、雑誌などメディアを通して、誰もが日常的にその作品・画風を目にされたこと
があるのではないでしょうか。
今年の誕生日4月17日に、一冊の影絵本を出版されました。
藤城清治さん 影絵の世界_c0173978_15444092.jpg

アンデルセン原作の「ぶどう酒びんの不思議な旅」は、アンデルセン童話の中でも
いちばんお好きな作品なのだそうです。
この本は戦後まもない1950年、藤城さん26歳の時、出版された初めての作品。
暮しの手帖社から刊行された本はモノクロ印刷でした。
これでは十分に表現できなかった幻想世界を、カラー作品で!というご自身の原点への
挑戦なのだそうです。
藤城清治さん 影絵の世界_c0173978_15451949.jpg
・・・買ってしまいました。
徹子の部屋では制作工程も紹介され、剃刀の刃を使って物語の場面がつぎつぎに
切りだされていきます。瓶が生まれてから長い長い旅の果てに、粉々に割れる…
その場面を描写するために、実際に瓶を割って欠片ひとつひとつの形、光をじっくり
と観察をされていました。
60年間の経験、想い、さまざまなものが込められている、丁寧に丁寧につくられた
作品なのだと思います。今でも切っている時間がいちばん楽しいですよ、とニコニコ
穏かに話される藤城さんはとてもチャーミングな方でした。

絵本のあとがきより
「ぼくの原点はアンデルセン童話だ。人間だけでなく、すべての動物や植物、椅子や机や
 びんにも、愛と命をふきこんで人生を描き出すからだ。・・・・・・・・
 この光と影の絵本を通じて、人生の美しさや喜びを感じとっていただければ、こんな
 うれしいことはない。」

全国で影絵展覧会が開催されます。
現在は高知県立美術館で開催中、その後、金沢、鹿児島、福井を巡回し、東京では
8月中旬頃、銀座教文館でも影絵原画展 開催予定だそうです。
藤城清治さんのHP
by kyowado | 2010-05-23 05:23 | あれこれ…想う