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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

Shasta-6:モスブレー滝

10月14日(月)
昔は海外旅行というと、次にいつこの国を訪れることが出来るかわからない
から、あちこち廻っておこうとびっちりスケジュールを立てて、それに従って
一日フルに動いたものだった。
もともと段取り・根回し・下調べバッチリ派の性格。せっかくだから、もった
いないしと…。それが、ここ数年は一都市をゆっくり、その日の気分で行動し
ようと旅の楽しみ方も変わってきた。

8日間、シャスタでゆっくり過ごそうと決めたので、朝早くから、あそこへ行
こう!ここも行こう!と時間に追われることもない。午前中、のんびりとロッ
ジで過ごしてから、Y氏とランチを食べる約束。
マウントシャスタシティ一番の人気店「Black Bear Diner(ブラックベアーダイ
ナー)」へ。
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サラダ付きサンドイッチを頼んだが、かなりのボリューム。サンドイッチ半分は
持ち帰り用のBOXをもらう。おやつにしよう。

午後に仕事のあるY氏と別れて、今日は「Mossbrae Falls(モスブレー滝)」
に行く。ここは、岩肌の苔の上を這うように流れる水の線が、まるで日本の
「白糸の滝」の如く、とても美しい滝だそうである。
Y氏に地図を書いてもらって向かったのだが、どうも目印のゲートが見つから
ない。どこをどう間違えたやら…丁度踏切で、列車が通り過ぎるのを待ってい
た車を見つけ、車を降りて教えてもらうことにする。
「あぁ、ハイウェイの出口がひとつ先なんだよ。もう一度5号線に戻って、
そこから…えぇっと、書くものある?ここを通って、こっちへ行って、ここ…」
と親切にオジサマが教えてくれた。

「どうもありがとう!」と再び、車に乗り込んでハイウェイへと戻ろうとする
と、入口で先程道を教えてくれたオジサマが車から降りて、腕組みして待って
いた。
窓を開けて「こっちでいいんですよね?」と声を掛けると、「僕が案内してあ
げるから、ついておいで!」と手招きする。うわぉ。
オジサマはハイウェイを通らずに下道をずんずん進む。途中、オジサマ自身も
不安になってか、路面にあった店に入って店主に道を確認しながら…。
そして、踏切わきの空き地に車を停めて、こう言った。
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「ここに車を駐車して。これから20分くらいかな、線路を歩いていくんだよ。
途中列車が通るかもしれないから、音が聞こえたら右側によけて。しばらくす
ると鉄橋が見えるから、そうしたら、その手前を右に降りて。すぐに滝が見え
よ!じゃぁ、気をつけてね。」
なんて親切なんだろう!
仕事の途中だったろうに、約20分くらいの道のり、わざわざ目的地まで先導
してくれた。
「ありがとう!本当にありがとう!シャスタの人はみんな親切で、こんな素晴
らしいところはないわ!」と感激して言うと、「当然だよ。こんな美しいご婦
人が迷っているのに、放っておけるわけないじゃないか。」と言ってくれたよ
うな気が…未熟な英語力ではそう聞こえた。(笑)

さて、線路を歩く? 線路の脇の道を歩く、じゃなくて? 
ホントだ。脇道も柵もない。線路の砂利を歩くと足を痛めそうなので、枕木を
歩いていく。
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まるで映画「スタンド・バイ・ミー」だ。実際、この鉄道のオレゴン州よりの
線路や、近くのマクラウドという小さな街がロケ地に使われたらしい。
スリル満点!こんな所を一人で歩いているなんて、すっごく楽しい!
途中、誰にもすれ違わない。たった一人。
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ようやく鉄橋が見えてきた。
手前を右に降りる…と言っても、なんの案内看板も、矢印もない。
「Mossbrae Falls」なんて、どこにも書いてない。足跡のあるところをたどっ
て、降りていくと沢に出た。
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おぉ、滝だ!
この時期は水量が減っていて、夏場ほど勢いのある白糸をみることはできない。
それでも充分に美しい水の流れ。
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釣り人が場所を移動すると、また私一人。流れる水の音だけ…。
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清浄な空気、眩しい光、見飽きることのない美しい水の流れ、そして音。
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「ついておいで」と小鳥に誘われる。
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ぴょん。
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どこへ行くの?
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滝の裏側へ。 そっちまで、行けないわ!
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しばらくまどろむ。あぁ、なんて気持ちいいのだろう。

さてと、そろそろ、線路を戻るか…。
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イモリがずっとついてきてくれる。
列車通過のドキドキはなかったが、冒険の先に観た美しい滝に、心躍る午後
だった。
by kyowado | 2008-11-04 21:06 | シャスタ旅行記