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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

Shasta-11:ネイティブアメリカンの儀式

10月17日(金)
当初、今回の旅は19日(日)に帰国する予定で、17日にサンフランシスコに
入って1泊し、翌18日の昼過ぎの便に搭乗しようと計画していた。しかしながら
帰りの便が満席でキャンセル待ち。直前になっても空席がでなかったため、1日
延泊して20日(月)に帰国することにした。
それを決定した直後、Y氏から「僕の友人が、シャイアン族のメディスンマン
(宗教的指導者)を招いて、特別な儀式“ペヨテセレモニー”をするっていう
情報が、今日入ったんだ。 参加してみる? 一日延泊になったのもこの儀式に
出るためなんじゃないか、って気がするくらい、グッドタイミングじゃない?」
ネイティブアメリカンの特別な儀式! 私の心は躍った。
今回の旅の目的を、パワーを高めることとしていた私だ。旅の終わりに、精神と
肉体の浄化を行う特別な儀式を受けるなんて、これ以上の締めくくりはないだろう。
「“ペヨテセレモニー”は深夜0時に始まって明け方に終わる夜通しの儀式。
 その後更に“スウェットロッジセレモニー”を受けるというかなりハードなもの
 になるけど、大丈夫?」
「やります! 是非参加させてください!」

そして、その日がやってきた。
Y氏の友人、今回メディスンマンを招いたビル・バッファロー氏から電話が入る。
「今晩、そして明日の朝に食べるものと、デザートを何か持ってきてくれよ。
 寒くないように毛布やクッション、長時間になるから背もたれのある座椅子が
 あるといいね。」
昼過ぎにスーパーマーケットに行き、サラダやパン、サルサ、ケーキ、ジュース
など、Y氏が実に手際よく買い物をして、ウィードにあるビルさんの家へ向かう。
「儀式が始まるのは深夜だけど、早く行って少し仮眠させてもらおう。タフな
一日になるからね…。」
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ビルさんは50代後半だろうか、ハワイ出身の自然崇拝者で、ネイティブの人たち
との交流も深く、こうした儀式の主催を時々行っているそうだ。
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庭には今夜の儀式が行われる“Tipi(ティピ)”と呼ばれるテントが作られて
いた。
ビルさんの家に入ると、恋人のジョアンナさんが、キッチンに立ち、みんなを
もてなすために料理を作っている。
「何か、お手伝いしましょうか?」
「まぁ!嬉しいわ。もうすぐ、七面鳥の丸焼きが一羽焼き上がるところなの。
あともう一羽焼いて、それからポテトサラダを作るのよ。ジャガイモの皮を
むいてくれる?」
「オッケー!」
「それからゆで卵、このまま7分ゆでたら冷たいお水に入れて、殻をむいて。」
「オッケー!」
「オリーブの缶詰開けて。汁は捨てていいわ。タマネギをスライスして。」
「オッケー!」
「まぁ、エミ! ゆで卵、パーフェクトだわ。」
「ジョアンナが7分って言ったから、ちゃんと時間計っただけよ。」
「これから、私のスペシャルな味付けを教えるわね。マヨネーズいれて。」
「ストップって言ってね。」
「はい、いいわ。そして、マスタード2種類と、ハーブスパイスを3種類、
これとこれね。そして、塩、胡椒と…味見してみましょ!」
「ん〜〜〜、デリシャス!!」
「いいわね。と、七面鳥が焼き上がったわ。エミ、見て!いい感じね!」
「すっごーい!ジョアンナは天才料理家だわ!」
「うふふ、まぁね♪」
カリフォルニアの初めて訪れた友人宅のキッチンで、料理を手伝っている私。
なんだか、信じられない楽しい体験。
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ビルさんの飼っている猫、ティガ。とっても人なつっこくて、お利口さん。
テント作りも料理も終わって、ヘーゼルナッツフレーバーのコーヒーを
飲みながらお喋り。
「日本の歌を知ってるよ。さくら〜さくら〜やよいのそらは〜」とビルさん
が陽気に歌い始める。嬉しい。私も一緒に歌う。

少し仮眠させてもらって、起きた頃には参加者が続々と集まってきていた。
みなそれぞれに料理を持ち寄り、調理を始め、伝統的な食事“バッファロー
ミート”の用意をし、また思い思いに食事し、談笑している。
儀式を執り行うシャイアン族のメディスンマンの一家とその友人たち、
スー族、カルーク族、ほとんどの人がネイティブアメリカンに所縁のある
人たち、総勢30名。全員アメリカ国籍で近郊に住み、メディスンマンに
導かれる自己の浄化の儀式を、これまで何度も体験している人ばかり。
それでも様々な儀式のうち、“ペヨテセレモニー”はペヨテというサボテン科
の幻覚作用を起こす植物を摂取して行うもので、ネイティブアメリカンの儀式
にのみ政府が使用を認めているという特別なものだ。しかも夜通し行われる
ため、海外旅行者で参加できる機会は極めて少ないだろう。
しかも英語がろくに話せない日本人旅行者の私。だが“Y氏の恋人(?)”
ということで、みな温かいハグで迎えてくれた。

私もできるだけみんなとふれあいたいと思い、中に入っていく。そうすると
なんとか伝わるし、理解できるし、臆することなく、とても楽しい時間が
過ごせる。心を開けば、なんとかなるものなのだ。英語の話せる人にとって
は何でもないことかもしれないが、言葉で充分に伝えられないと思うと
不安もある。今回、Y氏の存在に実に助けられはしたが、自分を開放して
相手と調和すること、ひとつになることを一日目に教えてくれた、パンサー
メドウズの女神の瞳にも導かれて、コミュニケーションの取り方を学ぶ
こともできたと思う。
まず、真心こめて相手をみつめること。これがはじまり。

さて、儀式が始まるまで、まだ時間がある。赤ちゃんのニコラスとエンジェル、
5歳のソフィアと6歳のコビィ、4人の子ども達と遊んだ。
こうした儀式に子どもがいることや、夫婦、恋人で参加することは、とても
意味のあることらしい。
by kyowado | 2008-11-11 23:11 | シャスタ旅行記