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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

映画「ウォー・ダンス 響け僕らの鼓動」

とにかく、観てください。
とにかく、たくさんの人に観ていただきたいのです。
大人も、子どもも、たくさんの人に。
2007年度サンダンス映画祭で、ドキュメンタリー部門監督賞を受賞した作品。
素晴らしいという言葉を超えた、深い感動があります。
恵比寿ガーデンプレイス内、東京都写真美術館ホールにて。
映画「ウォー・ダンス 響け僕らの鼓動」_c0173978_11362745.jpg

http://www.wardance-movie.com/index.html
■公式ホームページ「ストーリー」転載
 パトンゴ避難民キャンプには60,000人を超す避難民が生活している。
このキャンプ内にある、銃弾で穴だらけにされた学校の壁の内側で、密かに
奇跡が起こっていた。愛情と才能に溢れる教師たちの手によって、歌が、踊り
が、音楽が子どもたちのもとに戻ってきたのだ。先祖伝来のリズムにのって
体を揺らし、足を鳴らし踊る生徒たちの姿。彼らの踊り、それは祖国を思う
願い。そして未来への祈り。そして[子どもであるべき時間] を取り戻す儀式だ。
 「音楽が生徒らの辛い思いを忘れさせてくれる」と教師は言う。が、本当は
音楽による癒し以外に、彼が生徒たちに与えられるものがないのだ。「戦争が
すべてを奪ってしまった。家、家族、そして子どもたちの夢を。」と彼は嘆く。
しかし、この教師は自分が生徒たちに与えた“もの”の重大さに、まだ気づい
ていない。

 【全国音楽大会】ウガンダで、この大会を知らない生徒はいないであろう。
国中の20,000校を超す学校が参加を賭けて挑む大会。そこでは、歌、踊り、
楽器演奏など様々な部門で、生徒たちの技能が審査される。不安定な政治と
貧困との命がけの戦いにあけくれるこの国の生徒にとって、大会は喜びと興奮
と達成することの充実感を与えてくれる、必要不可欠なイベントである。
  年に一度行われるこの大会に、北部で最も危険地域とされるパトンゴに
ある学校が初出場を決めた。紛争地域にあるキャンプ内の学校からの参加が
認められたのは歴史上初めてのことであり、記念すべき事件だった。その大事
な大会での優勝を目指して、生徒と教師による猛練習が始まった。

 大会2週間前。首都カンパラから2人の音楽専門家が学校にやって来た。
生徒たちのパフォーマンスを全国レベルに引き上げるため、厳しくも愛のある
特訓が始まった。音楽教師のジョリーは、伝統舞踊、聖歌合唱、器楽の3部門
を重視し、特に練習を重ねる。伝統舞踊は祖先からの大事な文化であり、代々
受け継がれていく大切な踊り。伝統舞踊の部門で優勝することは、部族の誇り
であり生徒にとっても大きな名誉なのである。
 生徒たちは、酷暑の中で、埃にまみれて練習に熱中する。南部の恵まれた
子どもたちと違って、パトンゴの生徒たちは、制服はリサイクルだし楽器も
しばしば手製のものを使う。しかし、才能と情熱、さらには戦争で奪われた
人生を取り戻そうという熱意に支えられて練習を続ける。
ドミニク、ナンシー、そしてローズ。練習で見せる真剣な眼差しやふと見せる
笑顔とは裏腹に、彼らが背負っているものはあまりに悲惨だ。忘れたいであろ
う過去の悲しい出来事を、彼らは自分に言い聞かせるように語りだす。
 音楽を通して、彼らは少しずつ変わり始めていた…。

 何ヶ月にも渡る練習の末、大会の日がやってきた。いざ会場となるカンパラ
へ。手づくりの衣装と楽器を持ち、武装兵士に守られながらの2日間のバスを
乗り継いでの旅路。初めて訪れるカンパラには高層ビルが立ち並び、兵士も
いない。その平和な光景も、避難民キャンプから出たことのない子どもたちに
とっては、まるで異国。
 「この子たちは電気を知らないし、水道水も飲んだことがないから」と同行
した校長は言う。「キャンプを離れるのはこれが初めて、という生徒がほとん
どなのです。」

 この大会で生徒たちは持てるすべてをぶつけて演じることができるはずだ。
勝ち負けは問題外。パトンゴの子どもたちがウガンダ中に、挫けない心を見せ
つける時がきた。
 大会では、全国各地から参加する生徒たちのハイレベルなパフォーマンスに
圧倒されながらも、奮闘するパトンゴの子どもたち。彼らは全身全霊で技能を
披露した。そこには、まるで紛争地域で暮らしていることを感じさせないほど、
純粋で子どもらしい笑顔が広がっていた。そして、部族の名誉である伝統舞踊
を踊る彼らには、自信が満ち溢れていた。
by kyowado | 2008-11-15 11:44 | いろいろ…観る