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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

Live 「 野澤徹也 SHAMISEN VERSUS 」

6月13日(土)19:30〜、渋谷・公園通りクラシックスにて。
三味線奏者・野澤徹也さんによる洋楽器と徹底的に合奏するライブ。
それがタイトルの「 SHAMISEN VERSUS 」に現れている。
Live 「 野澤徹也 SHAMISEN VERSUS 」_c0173978_1724437.jpg

野澤さんほど邦楽という枠に収まらずに、現代邦楽を超えて、「 現代音楽 」を
模索し、追求し、挑戦し、挑発し、進化し続けている三味線演奏家を私は知らない。
従来の三味線音楽の色・艶という気配がなく、全く別の楽器として、独自の音色
と世界観をはっきりともっている稀有な演奏家だ。

先般ライブに行った雅楽器とのコラボも非常に面白かったが、今回は、マリンバ・
パーカッション・ヴァイオリン・フルート・ピアノ、それぞれの洋楽器とのDUO
での対決、そして融合を目指したライブである。

野澤さんのライブは、毎回委嘱曲初演が多い。
それだけ、アーティストとしての意欲的な探求心と作曲家からの信頼が大きい
からだろう。CDのリリースも、他の邦楽器アーティスト比べると格段に多い。
客席は満席で、開演ギリギリに入った私は、補助席を出してもらわなければ
着席できなかったし、公演プログラムもコピー枚数が間に合わなくて、配布して
もらえなかった。すごいなぁ…。
「 来ませんか? 」の1行のメールだけで、「 はい、行きます。」と言わせて
しまうマジックは、イケメンだからという理由だけではない。(笑)

三味線であって三味線でないような、野澤徹也だけの三味線。
組み合わされる楽器によって、また楽曲によっても好き嫌いがはっきり分かれる
音の世界に思われるが、野澤徹也はそれでよいのだと思う。
彼には一切ブレがない。
その潔さが心地よく、また違う挑戦を見届けたいと思わせる。
さて、次は、どんな世界を聴かせてくれるのだろう。

by Emi Nakamura
by kyowado | 2009-06-23 12:00 | Live