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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

お伊勢参り… 美術館・徴古館へ

神楽祭を堪能した後は、先日大混雑で断念したご正宮の参拝へ。
石段の行列はなく、特別参宮の受付もすぐに出来、神職に案内されて御垣内で参拝
いたしました。
「 世界中のみんなが幸せでありますように、どうぞお導きくださいませ。 」

さて、おはらい町で伊勢名物、手こね寿司(マグロのヅケ丼のようなもの)と伊勢
うどんの昼食。特別参宮章に、美術館と徴古館の観覧もできると記載されていたの
でせっかくだからと行くことにします。
内宮から車で10分。
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「 神宮美術館 」では、式年遷宮に奉賛し美術品を献納された美術・工芸家を顕彰
するために、奉納作品を中心に、作家の代表作や近作などが展示されています。
秋野不矩・上村松篁・奥村土牛・小倉遊亀・片岡球子・平山郁夫…等々、錚々たる
芸術家の作品が約50点。これは見応えありました。
外宮・内宮の丁度中間地点に位置する建物ですが、なかなかここを観光ルートに
加える方が少ないのか、静かにゆったりとした気持ちで鑑賞することができました。
お伊勢参り… 美術館・徴古館へ_c0173978_1985463.jpg

「 神宮徴古館 」は、伊勢神宮に関する資料を展示してある博物館で、神宮の歴史
や神事についてとてもわかりやすく学ぶことができます。
神宮に奉納された御神宝や装飾品などの展示をみると、この神宮が日本において
いかに重要な神事を行う宮であるかがよくわかります。

神道について、皇室について、人それぞれのいろんな意見はあるでしょうが、
この神宮の在り方には、多くの学びがあります。
神宮では、衣食住において基本的に自給自足とし、お供えされる食物から食器類
まで手作りし、絹や麻の布も昔ながらの機織り機で手織りされます。
20年に1度の式年遷宮では、解体された木材をすべてほかの神社の建て替えなどに
使用し、木材の切れ端に至るまで再利用しています。森は「 育てる森 」と「 自然に
まかせる森 」の2つに分けられて「 神宮の森 」 と成し、自然との共生のモデルと
もいえるでしょう。
環境と衣食住の文化を両立させながら、「 常若(とこわか)」 の思想で循環を繰り
返し、古くに確立された技術・芸術を今日まで継承している。その意義を考えると
550億円という式年遷宮にかかる費用に関する議論よりも、これを行い続けている
日本人の精神性について、もっとみんなで認識を深めたいという気がします。

伊勢神宮式年遷宮広報本部公式ウェブサイトに、「 なぜ20年ごとですか? 」という
質問に対して、下記のように記述されていました。

「 なぜ20年かという定説はありませんが、その理由はいろいろ推定されます。
 まず20年というのは人生の一つの区切りとして考えられるでしょう。また、技術を
 伝承するためにも合理的な年数とされていますし、掘立柱に萱(かや)の屋根とい
 う素木造り(しらきづくり)の神宮の社殿の尊厳さを保つためにもふさわしいとさ
 れています。他にも中国の暦学から伝わったという説などいろいろあります。
  しかし、神宮の式年遷宮は建築物の朽損(きゅうそん)が理由ではありません。
 この制度が定められたとき、もう奈良の法隆寺は建てられていました。法隆寺は
 現存する世界最古の木造建築です。当時の技術で立派に永久的な社殿はできたはず
 です。
  神宮の「 唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」は、いつでも新しく、いつま
 でも変らぬ姿を求めて、20年ごとに造り替えることにより永遠をめざしたのです。
 世界中には永遠をめざした石造の古代神殿がいくつもありますが、世界の建築家や
 文化学者が「伊勢は世界の建築の王座だ」と絶賛します。それは、原初のスタイル
 がいつまでも、どの時代にも存在し、今も昔も変らぬまま毎日お祭りがなされてい
 るからです。
  20年ごとに生まれかわるという発想、これは世界のどの国にも見られないもの
 です。しかも、神宮が新しくなることで、大御神の、より新しい御光をいただき、
 日本の国の「イノチ」を新鮮にして、日本全体が若返り、永遠の発展を祈るのです。
  そこには、常に若々しい生命の輝きを求めて止まない日本の民族性を伺うことが
 できます。 」

by Emi Nakamura
by kyowado | 2009-10-05 20:20 | 伊勢の道