2009年 10月 11日
秋の鎌倉、建長寺
するうちに、すっかり意気投合。「 是非お会いしましょう! 」という話になった
Kさん。箏演奏家であり、会社勤めをされながらたくさんのコンサートを企画し、
演奏活動をしていらっしゃる方です。
「 では、いつどこで会いましょうか? 」ということになり、
「 よろしければ、10月10日、鎌倉に行きませんか? 」とのこと。
「 なぜ鎌倉? 」と Kさんに問うと、
「 私、いいことは、いつも鎌倉から始まるの… 」と。 それは、素敵!
10月10日、朝9時にKさんのご自宅へ、車でピックアップに行きました。
初めてお会いしたのに、ずっと昔からお友達のような、それこそ久しぶりに会った
同級生が近況を報告しあうような、そんな感じでお喋りが始まりました。
そして、鎌倉に到着。
「 建長寺に行ってみましょうか。 」
臨済宗建長寺派大本山・鎌倉五山第一位の建長寺は、今から約760年前の鎌倉時代、
建長5年(1253年)に時の執権・北条時頼が建立した、日本最初の禅寺です。
この「 三門 」は「 三解脱門 」の略で、楼上に五百羅漢などを安置し、その下を
通ると心が清浄になることを祈念して造られたもので、重要文化財に指定されて
います。
仏殿から法堂(はっとう)前のスペースをみると、「 あ、この境内なら野外ライブ
もいけるなぁ! 」 とつい思ってしまう私。
散策にはもってこいの秋晴れの心地よい陽気、ご本尊の地蔵菩薩様にお参りした
後は、ベンチに腰掛けてお喋りが続きます。
気がつくと時計は午後1時に。
「 もしもし、 おじさん、今、どこにいらっしゃるの? 」
「 映美ちゃん? 残念でした。羽村のお寺の方だよ。 」
建長寺の宗務総長をしている親戚に電話すると、鎌倉にいるとは言っていない
のに“ 残念でした ” の言葉、さすが。(笑)
日本橋劇場公演にも来てくれて、その際「 建長寺でライブがしたい!」と話して
あったので、察してくれたのでしょう。
「 電話をしておくから、寺務所に行って案内してもらいなさい。」と。
早速、宗務本院から龍王殿まで見せていただくことにしました。
重要文化財の唐門(からもん)から、得月楼に大覚禅師作庭の日本最古の禅庭園、
そして座禅研修の様子やお食事を戴く典座(てんぞ)など、若い僧侶の方から
いろいろと説明をしていただきながら、院内をめぐります。
法堂で特別公開中の「 釈迦苦行像 」。
この法堂の天井には、小泉淳作 画伯による雲龍図も描かれています。
法雨を注ぎ、仏法の恵みを与える天井画、床には瓦石が敷かれ、説法の声が響き
わたるような工夫もされています。
一通り拝観した後は、展望台のある半僧坊に上がる手前にある「 回春院 」に
行って、お茶を戴きます。少し上がっただけで、鎌倉であって鎌倉でないような
別の空気感と静寂がそこにはありました。
大変美しい「 文殊菩薩 」(室町時代)の像があります。
さて、北鎌倉の建長寺から、鎌倉小町通りにあるコーヒー専門店「 ドミンゴス
さんのコーヒー 」へ。
「 映美さんをね、どうしてもこのお店にお連れしたかったのよ。」と
Kさんの大のお気に入りのお店ということで、連れて行っていただきました。
昼食がまだだったので、お腹ペコペコ。
牛肉のビール煮のサンドイッチ、ローストビーフ、紅茶はアールグレイ。
デザートにカボチャの種のトスカケーキ、コーヒーは水洗モカ(すいせんモカ)。
どれをとっても、ものすごーーーく美味しいのです!
マスターの百留伸一さんは、ブラジルで14年間暮らしてコーヒー輸出会社で
働いた後、コーヒー豆の品質管理の仕事や、NHK文化センター講師など色々な
講習会でコーヒーについてお話しされている、まさにコーヒー博士です。
「 これが、モカ? 」 とびっくりする味と香りのコーヒーにうなりながらも
マスターの奥様や他のお客さまも交えて、「 和の心 」について熱弁をふるい、
時間が経つのを忘れます。
本当に楽しい1日でした。
■ ドミンゴスさんのコーヒー http://ishonan.com/domingos-coffee
by Emi Nakamura