2010年 01月 11日
中村天平プレミアムニューイヤーコンサート
今年の初ライブは、コンポーザー・ピアニスト・中村天平さんです。
このライブを終えると、アパートのあるニューヨークに3ヶ月帰り、その後は
4ヶ月ヨーロッパに武者修行に出掛けることになっており、当分日本でのライブ
はお預け。
「 今度いつ会えるかわからへんから、今日はね、あったかいコンサートにしたい
んです。」
その言葉通り、大阪からヴォーカリストやピアニストの友人を招いてのコラボや、
観客から「 お題 」をいただいての即興演奏、質疑応答・プレゼントコーナー、
5回のアンコールなど、あったかいを超えて熱い天平ワールドを繰り広げてくれ
ました。
ホンマ、めっちゃ、ええヤツやなぁ、天平クン。
人はみな唯一無二の存在ではあるけれど、唯一無二の優れたパフォーマンスが
できると高らかに言えるアーティストはそう数多いわけではありません。
ピアニスト・中村天平は、自分の作曲した楽曲のみ演奏するアーティストであり、
それゆえに自分の想いをストレートに表現していますが、それが超絶テクニック
と相まって聴く人の心を揺さぶります。今の自分を全部さらけ出して、それを
感動に変えていく唯一無二のパフォーマンスを見せてくれます。
私は、彼のピアノを聴いた時、人の弱さ、はかなさ、寂しさ、そしてそれを超え
て頑張って生き抜こうとする揺れ動く心の様を共有しているような、そんな気持
ちになります。この「 共有 」する感覚があるから、多くの人がその情熱に勇気
をもらい、優しさに癒されるのでしょう。
巨匠の名曲を名演奏で堪能させてくれるピアニストとは違った魅力、人間・中村
天平自身の煌めきを、唯一無二のパフォーマンスで見せてくれます。
ハートフルな、いいコンサートでした。
ちなみに、本日1月11日19:30〜、NHK総合テレビ「 みんな二十歳(ハタチ)
だった 」に出演します。演奏と生まれ故郷でのロケが放映されますので、必見!

表参道のけやき並木は、まだ美しいイルミネーションが施されていました。
中村天平さんの演奏活動は、クラシック音楽に馴染みのなかった人にも、実に
わかりやすいストレートな表現でピアノ演奏を楽しむ機会を与えてくれています。
これは、私が応援している二十五絃箏・中井智弥さん、尺八・中村仁樹さんなど
にも言えることで、自分で作曲し演奏しながら、日本のクラシック音楽・邦楽界
の“ これから ”に欠くことのできない存在に間違いなくなっていくでしょう。
そして、尺八・岩田卓也さんのように、作曲家のイメージを超えたエネルギーを
作品に注ぎ込むことの出来る演奏家。
彼等の煌めきを、できるだけたくさんの人に伝えるために、私に何ができるか…
そんなことを考えながら、イルミネーションの煌めきを眺める新春初ライブの夜
でした。
by Emi Nakamura
by kyowado
| 2010-01-11 17:17
| Live