2010年 01月 12日
深海さとみ 箏・三絃リサイタル
箏の深海さとみ先生のリサイタルに行ってきました。800名のホールは満員。
さすがです。
「 古典を現代に 」という副題の付けられたこの演奏会。生田流・山田流の
流派を超えて、古典の名曲の手付けを試みていらっしゃいます。
特に、私の尊敬する箏演奏家であり二十絃・二十五絃の箏を開発された野坂
操壽先生も客演されて「 八重衣 」で共演されるというのもとても楽しみな
演目。野坂先生の箏と深海先生の三絃で、小倉百人一首から衣の字が入る和歌
五首を集めたものを、幕末の石川勾当という三絃の名手が作曲した作品です。
それに、二人の演奏者がそれぞれ即興風な独奏部分を加えるという試みをされ
ています。
その他、古典をモチーフとして作曲された作品を中心に構成し「 時代を超えて
進化し続ける古典の現在 」とはいかなるものか、瑞々しい音色とともに楽し
むことができました。
( 先生の黒のお着物、たくさん刺繍が施されていてすごく綺麗だったなぁ… )
丁寧にしっかりと守り伝えていく古典の演奏、「 古典を現代に 」と新しい
息吹を加えて甦らせる演奏、そして西洋音階によるオリジナル楽曲で、現代
の感性を表現しようとする演奏活動。たくさんの演奏家が試行錯誤しながら
邦楽界を支えています。
そんな中で、このリサイタルのプログラムと共に配られたチラシで、これは
行かねば!と思ったものがありました。
「 箏とオーケストラの響宴 」
私が、いつかプロデュースしてみたいと夢見ている企画です。
4月13日に東京オペラシティ・タケミツメモリアルホールで行われるそのコン
サートは、沢井箏曲院の沢井一恵先生(昔、ネスカフェの違いのわかる男
シリーズで出演されていた天才箏演奏家・作曲家の故・沢井忠夫氏の奥様)、
指揮者・佐渡裕氏(テレビ番組「 題名のない音楽会 」の司会も務め、世界
で活躍されているマエストロ)による、グバイドゥーリナの「 樹影にて 」に、
プロコフィエフのバレエ組曲「 ロメオとジュリエット 」。
そして、なんと! 坂本龍一氏による箏協奏曲の世界初演!
オーケストラは、兵庫芸術文化センター管弦楽団という、世界中でオーディ
ションを行って若手演奏家を集めて優秀な人材を輩出するアカデミーの要素
も持つというユニークなシステムのオーケストラで、佐渡裕氏が芸術監督を
されています。すごいなぁ! もう、なんだか、わくわくします!
今年は、もっともっといろいろ勉強しながら、わくわく楽しみながら、
響和堂が提案できるスケールを広げていきたいと思っています。
by Emi Nakamura
by kyowado
| 2010-01-12 14:14
| Live