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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

フォーラム「 吉野・高野・熊野から世界遺産を考える 」

2月13日(土)16:00〜、朝日カルチャーセンター(新宿住友ビル)にて、
「 吉野・高野・熊野から世界遺産を考える 」と題されたフォーラムへ。

昨年、青山ブックセンターにて当代きっての人気カメラマン「 鈴木理策 × 藤代
冥砂 × 石川直樹 」が伊勢・熊野の聖地を語るトークライブを主催した三重県庁
の平野氏が、今回のフォーラムもお手伝いされることでこのイベントを知りまし
た。講師の中には宗教人類学者の植島啓司さんもいらっしゃり、実は植島センセ
イとは共通の友人がいることから、大阪でお食事やライブハウスに行ったり、
東京で私が合唱に参加していたオペラ「 椿姫 」を観に来ていただいたりと親交
があり、久しぶりに再会できるのがとても楽しみでした。

このフォーラムは、紀伊山地三霊場会議設立記念として、代表幹事の田中利典さ
んが主催されたものです。
「 吉野・高野・熊野からなる紀伊山地の霊場は、神道と仏教、またその混淆であ
る修験道が集まる聖地であり、その日本的な多様な聖地性がユネスコ世界文化遺
産に登録をされたひとつの大きな意味といえるでしょう。明治政府は近代化を計
る中で、神仏分離政策を行い、廃仏毀釈、修験道廃止を断行し、日本的な精神文
化の根幹を変容させるところとなりましたが、近代のひずみに悲鳴をあげつつあ
る現代社会にこそ、この地が持ち続ける宗教、精神文化の多様性の再発見が必要
とされているのです。三霊場に生き、その聖地を守る三人の宗教人と、学術的立
場から聖地性の意義を思考続ける二人の論者により、類稀なる世界文化遺産
「 紀伊山地の霊場と参詣道 」の魅力と可能性を語ります。 」( 田中利典 記 )

昨年から伊勢とのご縁がとても深くなり、今年の4月には伊勢から熊野速玉大社
まで足を伸ばし、2007年に大きな気づきを戴いた熊野へ、もう一度出掛けよう
と思っていた時でしたので、このフォーラムは実に意味深いものになるような気
がしていました。熊野速玉大社は、私が「 和の煌めき 」の公演パンフレットの
表紙にこの大社のご神宝の文様を選んだ時から、“ 行かなければ… ” と思って
いた神社で、鈴木理策さんの故郷・和歌山県新宮市にあることは、以前のブログ
にも書いた通りです。その熊野速玉大社の宮司さんも、講師の1人としていらっ
しゃるとあって、この日を心待ちにしていました。

その講師の方のプロフィールをご紹介しましょう。

植島 啓司 ( うえしまけいじ )
1947年東京生まれ。宗教人類学者。東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研
究科(宗教人類学専攻)博士課程修了。シカゴ大学大学院に留学後、NYニュー
スクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、関西大学教授、人間総合科学
大学教授などを歴任。著書に『快楽は悪か』(朝日新聞出版)、『男が女になる
病気』(朝日出版社)、『賭ける魂』(講談社現代新書)、『聖地の想像力』、
『偶然のチカラ』、『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』(いずれも集英社
新書)など多数。
 
稲葉 信子 ( いなばのぶこ )
1955年愛知県生まれ。筑波大学大学院教授。専門は文化遺産論及び建築史。
工学博士。文化庁、国際機関イクロム(文化財保存修復研究国際センター、在ロー
マ)、国立文化財機構を経て2002年から現職。文化庁在職時から世界遺産条約
に関する様々な実務に携わってきている。日本ユネスコ国内委員会委員。イコモ
ス(国際記念物遺跡会議)会員。
 
田中 利典 ( たなかりてん )
1955年京都府生まれ。龍谷大学文学部仏教科卒業、叡山学院専修科卒業、金峯
山寺教学部長を経て、2001年金峯山修験本宗宗務総長、金峯山寺執行長に就任。
現在、金峯山寺一山宝勝院及び京都府綾部市の林南院住職、紀伊山地三霊場会議
代表幹事。全日本仏教会参与、日本山岳修験学会評議員、吉野ユネスコ協会副会
長。主要論著に『修験道っておもしろい!』、『吉野薫風抄―修験道に想う』
(白馬社)、『はじめての修験道』(春秋社、共著)、『熊野 神と仏』(原書
房、共著)ほか。
 
上野 顯 ( うえのあきら )
1953年和歌山県生まれ。國学院大学神道學専攻科修了。橿原神宮権禰宜を経て、
2000年、熊野速玉大社宮司に就任。神社本庁参与、和歌山県神社庁理事、新宮
市観光協会副会長、熊野三山協議会副会長、社団法人和歌山県文化財研究会理事、
和歌山県世界遺産熊野地域協議会委員、紀伊山地三霊場会議幹事ほか。2003年、
新宮市文化功労賞受賞。
 
村上 保壽 ( むらかみほうじゅ )
1941年京都府生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程実践哲学専攻修了。
総本山金剛峯寺執行・高野山真言宗教学部長、高野山大学名誉教授。高野山伝燈
大阿闍梨。著書に『空海』(創元社)、『現代社会を弘法大師の思想で読み解く』
(セルバ出版)、『空海の「ことば」の世界』(東方出版)、『空海と智の構造』
(東方出版)ほか。

どうです、このメンツ。面白くないわけがないでしょ。
神道・仏教・修験道の三霊場のトップが一堂に会し、和合するなんてまさしく
「 日本的な多様な聖地性 」 を表しています。実際、本当に面白いフォーラムで
した。植島センセイがとんでもないツッコミや無茶ブリをする中で、それぞれの
三宗教人が大笑いさせてくれたり、なるほどと頷いたり・・・話の内容は書きき
れませんが、「 産霊(むすび)の信仰 」「 掬ぶ(むすぶ…水をすくって飲む。
形のないものをあるものにする)」「 いのち 」「 和合 」「 男と女 」「 自然 」
「 あらゆるものとの関係性 」「 生かし生かされ 」「 縁 」といったキーワード
を含め、実に興味深い話が展開されました。
「 世界遺産 」の登録地は「 聖地 」が大変多く、「 世界遺産 = 観光地 」となっ
ていますが、「 聖地 = 神聖な祈りの場 」であることを忘れず大切に守っていか
なければいけません。そして、日本のように様々な「 信仰 」が歴史的断面図を
はっきりと残しながら現存している例は非常に稀なケースであり、その象徴であ
る「 吉野・高野・熊野 」が世界遺産として登録されていることの意義は、世界
的にも大変重要であると認識させられました。
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嬉しいことに、また打ち上げに参加させていただきました。
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前列右が田中利典さん、中央が植島センセイ。
そして今回、この打ち上げで席が近くていろいろお話させていただき、一気に
盛り上がって、4月に天河・熊野・吉野へご一緒させていただくことになった
二人の素敵なお姉様との出会いにも、本当に感激しました。
映画・テレビドラマ化もされた「 タイヨウのうた 」の著者でもあり、数々の素晴
しいイベントや企画制作をされているプロデューサーの天川彩さん、そして、
「 モーニング娘。」などハロプロのスタイリストとして活躍されている樋口真佑希
さん。お話ししながら、何度も何度も、三人でキャッキャッと手を取り合って
「 嬉し〜っ!楽しい〜っ!」を連発し、他の席にいらした方からうらやましがら
れるほど、大変な盛り上がりだったのです。
私にとって、会うべくして会う、大切なご縁になったなぁと神様に感謝。
このご縁は、大きく広がっていく嬉しい予感があります。

by Emi Nakamura
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by kyowado | 2010-02-14 20:20 | いろいろ…観る | Trackback | Comments(0)