2011年 05月 01日
福島の友-2
てきてくれたKクン。
「手ぶらじゃないじゃーん。ありがとう!」
「あんまり売ってないんだよな〜。」
そうか。
今、福島に旅行してお土産菓子を買う人は激減していることだろう。
売上減少で、工場の生産も大幅に縮小、従業員の数も削減、ひいては工場休業・
閉鎖・廃業を余儀なくされるところも増えてくるだろう。
私達が想像する以上に「福島=原発」によって、経済活動に打撃を受けている
方がいらっしゃる。

福島の銘菓だ。
創業嘉永5年、薄皮饅頭で有名な柏屋さんのレモン風味のチーズケーキ「檸檬」。
三万石さんの「ままどおる」は、バターたっぷりの生地でミルク味の餡を包み込
んだ焼き菓子で、福島土産としてとてもポピュラーなもの。「エキソンパイ」は
くるみ入りの欧風餡をパイ生地に包んで焼き上げた、私の大好きなお菓子だ。
手前にある紫色の氷砂糖のようなお菓子は、かぎやさんの「ぶどう氷」。
飴のように固いものかと口に含むと、表面はシャリッとしながらも、中はふわっ
と柔らかいぶどう味の寒天だ。独特の食感は感動モノ!
福島にしか売っていない逸品である。
「東京ではある程度報道も規制されているんだろうけど、地元の新聞では、原発
のこと、放射能の数値のことばっかりだよ。うちの近くの公園では、1時間以上
子どもを遊ばせないように警告がでているし、学校の校庭の土を全部入れ替えな
いと、子どもを通わせられないっていう親も多い。この放射能のことがなんとか
終息しないと、福島のこれからなんて考えられないよ…。」
「うちの近くのスーパーで、レタスもチンゲンサイもいつもの半額位で安売りし
てるのがあってね、産地をみたら茨城なの。茨城の葉物がそれだけ安くなってる
から、福島産のものなんて何にもおいてない。」
「地元でもね、福島ってアスパラガスが美味しいんだけど、いつもは1束400円
近くしていたのが150円以下。アメリカ産より安いんだよ。どこまで持ちこたえ
られるかなぁ…。」
内閣官房参与の小佐古敏荘・東大大学院教授(放射線安全学)の会見での涙。
安全のラインはどこか?
安全は「全て安心」なことだ。それに限りなく近いところに線を引くべきだろう。
安全な場所で安全なものを食べたいが、過敏に対応しなければいけないことと、
しかしながら過敏に反応し過ぎて風評被害に繋がることと、判断が本当に難しい。

「 あの島より、福島 」
数年前の福島の観光CMだ。
http://www.youtube.com/watch?v=IA261wMy2N8&feature=player_embedded/
これは大手広告代理店にいる友人が制作したものだ。最初にこのコピーを聞いた
時に、飲み屋で思わず吹き出したのを懐かしく思い出す。
仲村 映美