2012年 12月 05日
原宿教会ランチタイムメディテーション
青山キラー通りからブラジル大使館に向かう手前にある、日本基督教団原宿教会
である。
先月、この教会の建築デザインをされた金子文子さんと京都で会食する機会があり、
いろいろなお話をさせて頂いて、とても楽しい夜をご一緒した。
人が学び成長するのに、いかに「場」「空間」「器」が大切であるかを語り合い、
もっともっとお話を伺いたいと強く思った、とても聡明で素敵な女性である。
長くフランスにお住まいになり、バスティーユに建築事務所を設立。
パリ7区のデパート「ボン・マルシェ」の店舗デザインの他、日本では「シュウウエムラ」
の室戸岬のホテルやミュージアム、都内ではこの「原宿教会」の他に「ファーブル昆虫
資料館」(文京区)、「フランス大使館経済商務部」(港区)を始め、デザイン誌の
表紙を飾る話題の施設を手掛けていらっしゃる。
初めてお会いした時も、とっても素敵なデザインの赤いコートとストールで、日本人
女性ではなかなか真似の出来ない、それでいて奇抜でなくシックな装いが印象的で、
さすが、パリで活躍されているだけあるなぁと敬服した。
その金子さんから、この原宿教会での「ランチタイムメディテーション」のご案内を
いただいた。約20分間の「オルガンと瞑想のひととき」、ソプラノのカティンカ・ファン・
ビリョンさんと、オルガンの佐伯恵美さんの演奏が素晴らしいので、時間があれば是非に
と。残念ながら金子さんは京都ご出張でお会いできないとのことだったが、丁度タイミング
よく時間がとれたので伺うことにした。
ここでは毎週水曜日のお昼から、こうしたミニコンサートが無料で公開され、静かな
瞑想の時間を提供しているという。今日はその320回目。
カティンカさんの歌声。
そのなんと清らかで美しいこと。一声聴いただけで、涙が頬をつたった。
オルガンのパイプは木管だそうで、何とも言えない優しい温かい音色。
あっと言う間の20分ではあったが、静かで豊かな光に包まれて、ものすごく満足感のある
ひとときだった。
教会はとてもモダンなデザインでありながら、奇を衒ったところがなく、人を優しく包み
自然と寄り添い、誰もに「ここは私の大切な場所」と思わせる親しみを抱かせる空間。
新しいのに懐かしい、不思議な感覚がする。
そして、また建物自体が楽器のような響きに満ち、耳には聞こえない音色を持っている
ような感覚が伝わって来た。
「全ての芸術は音楽を目指す」
そんな言葉を思い出した。建築もしかり。心と身体に響く建築は、音楽を奏でている。
仲村 映美
by kyowado
| 2012-12-05 21:49
| いろいろ…観る