2008年 09月 16日
水天宮 奉納演奏 - 1
想いが、ふと湧いてきました。
日本橋・水天宮は、来年第1回プロデュース公演を行う日本橋劇場にほど近い
神社。「子授け・安産」で有名なこの神社は、参拝客のほとんどが妊婦さんや
お礼参りの赤ちゃん連れ、新婚カップル等で、「子宝」に特化した神社ゆえか
境内は幸せオーラに満ちています。

いくら日本橋劇場に近い神社だからとはいえ、何故、一度も訪れたことの
ない、水天宮?
しかも「奉納演奏」を執り行った経験もありません。
そこで、水天宮のホームページにアクセスして、お祀りしてある神様を調べて
みました。
「天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)」
古事記に一番最初に登場する神様で、宇宙の根源の神様、宇宙創造神。
なるほど、全てを生み出した神様だから、新しい生命を生む「子授け・安産」
に御神徳が発揮されるということなのですね。
そして、1185年の壇ノ浦の合戦の際に入水したと伝えられている、当時8歳
の安徳天皇と、その母・建礼門院(平清盛の娘)、そして祖母である二位の尼
(清盛の正室)の三人の御霊。
この四柱が、水天宮の御祭神です。
1190年に福岡・筑後川のほとりに、平家の御霊を鎮めるために創建された
お社が発祥であり、その後、1650年に久留米の有馬のお殿様が社殿を寄進
して水天宮は広く信仰されるようになりました。
1818年、有馬のお殿様は、参勤交代の際に、江戸でも水天宮をお参りしたい
と、江戸屋敷内に久留米から分霊した水天宮を建てました。当初は一般の人の
参拝は出来ませんでしたが、御利益を信じる江戸っ子達が、塀の外からお賽銭
を投げるようになりました。ついに毎月5日だけ屋敷を開放して、庶民も
参拝が許されました。人々は、「情け深い」ことを感謝する際に、有馬家と
水天宮を洒落て、「情けありまの水天宮」と口癖のように言ったそうです。
フーテンの寅さんの台詞で有名な「恐れ入りやの鬼子母神」という言葉と共に、
江戸の流行語に…。
今年、東京水天宮は190年を迎えました。

平家の御霊。
私は、来年コンサートに出演していただくことになっている琵琶奏者の
塩高和之さんに、奉納演奏してもらおうと思いました。
塩高さんは、平家に所縁の深い、厳島神社や赤間神宮で公式に奉納演奏を
していらっしゃる方です。きっと、御霊がお喜びになるに違いないと
確信しました。すぐに、塩高さんに連絡をとると「東京の平家所縁の神社
で、奉納演奏したことはこれまでありませんでした。是非、やりましょう!」
と一つ返事で承知してくださいました。