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響和堂Blog 『 湧玉 wakutama 』

2010年 01月 02日 ( 1 )

昨年暮れに行ったライブで、どうしても書いておかなければいけないと感じた
ものがあります。
12月28日(月)19:00〜、タカギクラヴィア松濤サロンにて行われた尺八・
中村仁樹さんを中心にした、ピアノ・菊池智恵子さん、琵琶・塩高和之さんとい
う異色の組み合わせのライブです。
しかし単なる奇をてらった組み合わせにあらず。洋楽器の王様であるピアノと
和楽器の王様である琵琶に支えられながら尺八の王子様が海を越え、世界を
巡り、未開の地を旅するという王家の冒険物語りの始まり。いや、そういう
テーマの曲目というわけではありませんが、日本の音楽界にとって、新しい
一歩を踏み出したことは間違いないと予感させる挑戦がそこにある。
ワクワクします。

「 21世紀のスタンダードがこの日から始まる 」というタイトルがつけられた
このライブ。前半は仁樹クンのオリジナル楽曲を中心に尺八とピアノの共演、
後半は塩高さんの楽曲による琵琶と尺八の共演、そして仁樹クンの楽曲を尺八・
ピアノ・琵琶にアレンジし直したもので構成されます。
これに、ドビュッシー、バッハ、そして江戸時代に虚無僧がお経の代わりに奏
じていた曲が加えられ、王子は勇敢に旅立ちます。

特筆すべきはドビュッシー。
「 チェロ・ソナタ 」の第一楽章・プロローグの、世界初演となる尺八とピアノ
による演奏。これは尺八のために作られた楽曲か?と思わせるほどです。
この試みを発想した音楽プロデューサー・久保木英清さん、スゴイ!
予感は確信に。

これまで私は、若手の優れた演奏家に出会ったとき、その才能をたくさんの人
に知っていただく機会を作りたい、そのためにコンサートを企画したい、と
思っていました。
それが、この久保木英清という人物に会ったとき、演奏家だけではなく、音楽
プロデューサーである彼が創り出す世界、目指すものを実現するお手伝いがし
たいと思いました。
中村仁樹という演奏家を応援する音楽プロデューサーとイベントプロデューサー
という立場でありながら、私自身が久保木英清の感性のファンであり、彼が
これから何を紡ぎ出そうとしているのかにとても興味があるし、それを見届け
たいし、私が創り出していきたいものと必ず繋がると思っているからです。
それは「 愛 」に溢れているからです。
音楽に対する、楽器に対する愛に溢れ、作曲者や演奏家に対する敬意に溢れ、
そして日本に、人間に対する「 愛 」に溢れているからです。

公演プログラム及びご自身のブログの中で、このように書かれています。
「 作品が本来持つ「 精神世界 」を、チェロで演奏する以上に、もし「 それら
しく 」表現できるのであれば、これこそ、この時代に生きる芸術家…弾き手…
の仕事にもなり得ると思うのです。和楽器による「 それらしい 」を、「 ヨー
ロッパ 」の人たちにも気づいてもらえたならば、クラシックの演奏史において
新たな歴史を刻むことになるでしょうし、和楽器の演奏家にとっても、楽器が
持つ「 可能性 」と「 精神性 」を「 西洋 」へ伝える…それも邦楽を使わずに…
つまり「 精神の逆輸入 」に携わるという新たな役割を担うことになるのです。 」

これに立ち合うことに、私の心は震えます。高揚します。

このユニットは2月26日(金)日比谷にて、更にパワーアップしたライブを
観せてくれることになっています。
何が起こっているのかは、是非ヒデキヨさんのブログをご覧ください。
■ 久保木英清 Classical Music Cafe
 http://hidekiyomusiccafe.blog.so-net.ne.jp/2009-12-39/
「 21世紀のスタンダード 」の始まり_c0173978_23451282.jpg

21世紀のスタンダードが静かに幕開けした夜、仲間としてこの場にいられた
ことを感謝します。
「 21世紀のスタンダード 」の始まり_c0173978_23485736.jpg

邦楽界の青木功と石川遼?!
仁樹クンは今、和太鼓・壱太郎クンと共に、トルコ・アルジェリアに演奏旅行に
行っています。国際交流基金のプロジェクトですが、響和堂の「 和の煌めき 」
出演からのご縁でユニットが誕生しました。これもとても嬉しいことです。

by Emi Nakamura
by kyowado | 2010-01-02 23:23 | Live